☆ VOL.7 自作チャンバー ☆
(2012年2月〜10月)


BS90をモトクロスレース仕様専用車に改造する。
そんな指南書が存在します。
上記バナーはそのタイトルです。雑誌「オートバイ」1965年月10号に掲載されています。

    

表紙には、時代の味がありますね。デスモシングルエンジンですかね?
驚くのは、その内容の発信はブリヂストンオートバイ自身。
1965年当時、競技専用車はほとんど存在しないモトクロス黎明期だからなのか?
市販車の改造をメーカー自身が紹介するなど今では考えられません。
その内容は車体のモディファイからエンジン内部のチューニングまで
詳細にわたります。
しかも、このキットパーツを買って組みなさいという内容ではない。
フレームの補強はココにこんな鉄板を切り出して溶接しろとか
ポートやディスクバルブはこの寸法で削れとか
切った・貼ったの改造指南の内容は圧巻です。
そこにあったのは このイラスト。



チャンバーのデータが書かれています。
このチャンバーを自分で作って取り付けなさいということです。
「作ってみたい」
このBS90MXを作り始めた時からの思いでした。
チャンバーは、向かい合わせの円錐台が2つとテールピースの円柱1つの合計3つで構成。
示されたデータは円柱の直径と高さ・円錐台の上底の直径と下底の直径と高さのみ。
製作するには展開図が必要となりますが、円柱は簡単 円周×高さの長方形。
ところが、円錐台の展開図・扇型の描き方がわからない。
必要となるのは、外径と内径と中心角。
これを、円錐台の上底の直径と下底の直径と高さからどうやってはじき出す??

高校数学の知識から解明できるのかも知れませんが、残念ながらすでに忘却の彼方。
そこで、数学に強い職場の御仁に相談すると、裏紙を取り出し
3枚ほどサラサラサラサラと計算式を書いていき
「ホレ」と導き出してくれた。

上底の半径をr・下底の半径をR・円錐台の高さをhとした場合。






となるそうです。素晴らしいデス。

これをチャンバー前部データに照らし合わせると、R=35 r=16 h=290で
中心角23.52°・外径535.35mm ・内径244.731mm
チャンバー後部データに照らし合わせると、R=35 r=13.5 h=120で
中心角63.492°・外径198.5mm ・内径76.55mm

外径535.35mmの円を描くコンパスなんて持ってない。糸で引くには精度が怪しい。
そこで、キャドソフトで作画に挑戦。



データを打ち込むだけであっという間に完成。便利!
A3の紙1枚に3ピースのデータを全て描き込めた。

これをプリントアウトし、切り抜いてテープで立体化すると
寸分違わず、チャンバーの形に。
意外とほっそりとした印象です。

さて本番、さらに切り抜いた紙を厚紙に貼り付け型紙を作る。

 

今度は0.8mmの鉄板を買ってきて、金切りバサミで切り出す。
なかなかうまく切り出せない。
プロはレーザーで切るらしいですが・・・

 


今度はこれをどうやって丸めるか?
0.8mmとはいえ鉄板 意外と硬いです。
C71さん曰く、「昔は金床で打って丸めてたけどな」。
自信がなかったので、町工場にあちこち電話して相談。
一見さんの単発仕事で少々難航しましたが、
丸めて点付けだけしてくれる工場に出会いました。
円柱のテールピースは素材屋さんからほとんど同じサイズのパイプを入手しました。

  

点付けを終えた部品、今度は自分でTIG本溶接します。
ほとんど経験のない素人作業です。薄物なので練習では溶かして穴あきも。
こうして、ようやく「カタチ」になりますた。
水を入れてピンホールを多数確認。コイツの修正には骨が折れました。

 

エキパイはダウン用の純正品に切り込みをたくさん入れながら
カーブを修正し、溶接して仕上げました。

 

最後にステーを車体に現物合わせしながら溶接。

 

見た目はともかく、ようやく完成!!
「ジブンで作った」これが大事。
満足です。

左のサイドカバーは取り付けできないので、アルミ板を切り出して蓋をする。
これまでは、BS90スポーツから不足部品を融通して走らせていた90MXですが、
今回流用・新作含めて全て調達できて
ひとまず完成形となりました。



あえて塗装・再メッキはせず(手間を惜しんだともいう)
見た目はサビ多数でボロっちいですが、なかなか精悍ないでたちと満足しています。


2012 ON ANY SANDAへ行く

つづく